PROJECT
STORY
02

法個一体営業で成果を生む
ワンチームで取り組んだ
『動物病院開業プロジェクト』

VETERINARY HOSPITAL
OPENING PROJECT

PROFILE

Yumiko Suzuki鈴木 裕美子

渉外課課長代理 2004年入行

PROFILE

Yoshiyuki Takano高野 儀之

山形霞城どうぶつ医療センター 院長

「荘内銀行さんが建ててくださったんですよ!」
院長の想いと向き合い続けた2年間

最新鋭の設備を備えた山形霞城どうぶつ医療センター。遠くからでも目を惹く独特の意匠、エントランスから屋上へと伸びる螺旋状の階段が印象的だ。2021年5月19日の開院時には、多くの飼い主と動物たちで長い行列ができた。山形市内の支店で渉外を担当する鈴木裕美子は、東海林支店長とともにそのにぎわいにあふれる光景を見つめながら、安堵の笑みを浮かべていた。

時は遡り2019年春のこと。預かり資産を保有する個人客を訪問したところ、趣味のガラスアートを銀行で展示したいとの相談を受けた。ロビー展の企画を進めるなか、大阪で息子が動物病院に勤務していること、帰郷して独立開業を考えていることを鈴木は知る。近々帰省するので相談に乗ってくれないか、という。そのご子息こそ、山形霞城どうぶつ医療センター院長・高野儀之氏であった。

帰省のタイミングを待ち、面談を行った鈴木は困惑した。開業したい場所以外、何一つ決まっていなかったからだ。「これは時間がかかるかもしれない……」と不安を覚える鈴木だったが、高野院長の印象は真逆だった。「この人なら任せられる、もう大丈夫だと確信しました。こんなに何でも話せる、相談できるんだって、嬉しくて嬉しくて」と高野院長は述懐する。日頃から「何でも相談してもらえるようなバンカーにならなければ」との想いで顧客と向き合ってきた鈴木の姿勢が生きた。

法人担当の経験は浅かったものの、「何とかやり遂げなければ」と懸命に開業への想いや将来ビジョンをヒアリング。その後、本部行員の協力で税理士や建設会社を紹介し、事業計画の作成や開業のための煩雑な諸手続きも、高野院長に逐次連絡を取り、本部と連携しながら慎重に進めた。建物の規模が大きいため、融資部や保証協会と何度も協議。事業計画や資金計画についても、高野院長、東海林支店長、建設会社担当者と細かく打ち合わせを行った。高野院長は当時大阪に住んでいたため、限られた面談日を無駄にしないよう、鈴木は毎回、打ち合わせの要点をまとめた資料を事前に準備して臨んだ。

開業相談を受けてから融資実行までトータル2年。鈴木は言う。「2年もの間、担当者として初期段階から実行まで関わることができたことは幸運でした。本当に貴重な経験になりました。ただ、私一人では何もできなかったと思います。自分なりに勉強もしましたが、やり遂げられたのは周囲の協力があったからこそ。銀行の影響力の大きさもあらためて実感することができました。口はばったい言い方になりますが、『荘内銀行のチームワークはすごいぞ!』って」。

開業後、同病院を訪ねるとシステム関連の事業者が来ていた。堂々とした施設に「高野先生、立派な建物ですね」と言う事業者。高野院長は答えた。「ええ、荘内銀行さんが建ててくださったんですよ!」。鈴木は「その一言で2年間の苦労が吹き飛びました」と語る。開業案件は、内装業者や税理士など関係先からの相談で動きだすこともある。現在も居酒屋やサロンの開業準備を同店のチームがアシストしている。

強固なチームワークに何度も助けられた
お客さまのために、地域のために、さらなる高みへ

鈴木が現在在籍する支店は、法個(法人・個人)一体営業で多くの成功事例を積み上げている支店の一つだ。与信案件によって渉外の行員と窓口の行員で弾力的にチームを編成。狙いは、“法個それぞれの業務のおもしろさを知る”こと。窓口行員が法人業務を行ったり、中小企業を担当する行員が経営者個人の資産運用にも対応するなど、積極的に行員一人ひとりの潜在力を引き出している。成果はもちろん、チームでお互いに支え合い、学び合う体制も評価され、2020年度の頭取表彰を受賞した。

法個一体営業の浸透に向け、会議と勉強会を定期的に実施する。法人会議では、案件の進捗や関係先への連絡状況を相互に確認。勉強会には窓口の営業課行員も参加し、実例を用いて分かりやすく法人業務について解説を行う。基本的には自主参加だが、窓口の行員から決算書の読み方について質問がなされるなど、各人の意識は確実に変化してきている。

お客さまの悩みや希望を聞き、理想とするゴールに辿り着く。そこまでの道筋をつけるには、地道な努力が必要だ。鈴木自身、動物病院の開業案件では、チーム一丸となって取り組む荘内銀行の姿勢に何度も助けられたと話す。「上司や本部、関連会社の支援にとても感謝しています。法人融資の経験が浅く、お客さまから次々に質問や要望が出るなか、自分の知識や経験だけではとうてい対応が難しく、支店長や課長、本部担当者にサポートしてもらいました。普段はあまり意識することはありませんが、本案件では心からチームワークの良さを実感しました。法人案件を複数の担当者で情報共有し、意見交換することにより、自分一人では気づきにくい目線での考え方を知ることができました」。

法人融資のミッションは、お客さまの経営課題を解決すること。じっくり話を聞いて、ともに悩み、一つひとつ課題を見つけて一緒に答えを導き出す。それが鈴木のスタイルだ。「数ある銀行業務のなかでも、これほどお客さまと向き合うことや、お客さまに感謝していただける仕事は本当に貴重だと思っています。本案件のように、思わぬ感動に出会うことだってある。だからこそ、常にお客さまの力になりたいという熱意を持ち、お客さまがどんな仕事をしているか、どんなことで悩んでいるか、どんな考えを持っているのかに興味を持つことが大切ですし、そこにこの仕事の大きな魅力があるとも感じています」。

顧客の信頼に必ず応えるという初志貫徹の気持ちと忍耐力。鈴木が常に心がけていることだ。鈴木にゴールは存在しない。強固なチームの一員として、さらなる高みを目指す。